美しさと機能性を兼ね備えた日本の知恵
着物着付け教室 麗和塾 内村圭です。
私が着物で出掛けるとき、バッグの中には、たいてい風呂敷が一枚入っています(^^)
皆さまは、お出掛けの際に風呂敷をお持ちになりますか?
風呂敷と聞くと、物を包んで持ち運ぶための昔ながらの道具、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際に使ってみると、その便利さと機能性に驚かされます。
風呂敷は、美しさと実用性を兼ね備えた、日本人の素晴らしい知恵が詰まった品なのです。
一枚の布でありながら、包むものの形や大きさに合わせて自由に使い方を変えられます。使わないときには小さく畳んでバッグにしまっておけるため、持ち運びにも困りません。必要なときにさっと取り出して使えるので、バッグに一枚入っているだけで、何となく安心感があります。
着物でお出掛けする機会の多い私にとって、風呂敷は頼りになる便利なアイテムのひとつです。
風呂敷一枚で広がる、さまざまな使い方
風呂敷の魅力は、何といっても使い方の自由さです。
包む、結ぶ、巻く。たった一枚の布なのに、工夫次第でさまざまな用途に活用できます。
例えば、お買い物をして荷物が増えたときには、風呂敷で品物を包んで持ち運ぶことができます。両端を結べば、簡易的な手提げバッグとしても使えます。
形が不揃いなものや、バッグには収まりにくいものでも、風呂敷なら包むものに合わせて形を整えられます。決まった形のバッグとは違い、中に入れるものに合わせて柔軟に対応できるところが魅力です。
また、急に荷物をまとめなければならないときや、いただきものを持ち帰るときにも重宝します。
使い終われば、元の一枚の布に戻して小さく畳むだけ。大きなバッグを別に持ち歩く必要もありません。
このように、一枚で何役もこなしてくれる風呂敷は、荷物をなるべく増やしたくないお出掛けにもぴったりです。
そして、風呂敷にはさまざまな色や柄があります。
季節を感じさせる柄、上品な色合い、華やかな模様など、選ぶ楽しみもあります。実用的な道具でありながら、持つ人の好みや個性を表現できるところも、風呂敷ならではの魅力ではないでしょうか。
急な雨や汚れにも役立つ、頼もしい一枚
風呂敷の中でも、私が便利だと感じるのが撥水加工されたものです。
お出掛け中に突然雨が降ってきたり、思いがけず水に触れたりすることはあります。そんなとき、撥水加工された風呂敷がバッグに入っていれば、さまざまな場面で役立ちます。
例えば、荷物を包んで雨や水滴から守ったり、濡れたものをほかの荷物と分けたりする際にも活用できます。
雨の日に着物で外出するときには、洋服のとき以上に、裾の汚れが気になることもありますね。
そのような場面でも、撥水加工された風呂敷を帯の下あたりに巻くなど、状況に応じて工夫することで、汚れを防ぐための補助として役立てることができます。ただし、着物や帯の素材、風呂敷の加工方法によっては色移りや摩擦などの心配もあるため、使用方法には気を配りたいものです。
もちろん、風呂敷があれば、すべてのトラブルを防げるわけではありません。それでも、いざというときに使えるものがバッグに入っていると、気持ちに余裕が生まれます。
お出掛けを楽しむためには、装いを整えるだけでなく、ちょっとした備えも大切ですね。
着物も風呂敷に例えられる?
ところで、着物も風呂敷に例えられることがあるのをご存じでしょうか。
その理由のひとつは、着物が体型に合わせて身幅などを調整しやすい衣服であることです。
洋服は、基本的に身体の形に合わせて立体的に仕立てられ、サイズが合わなければ窮屈に感じたり、着用が難しくなったりすることがあります。
一方、着物は直線裁ちを基本とした構造で、布を身体に沿わせながら着付けていきます。腰紐や伊達締めなどを使って形を整えるため、洋服とは異なる柔軟性があります。
もちろん、着物にも身丈や裄、身幅などの寸法があり、身体に合ったものを選ぶことは大切です。しかし、多少の寸法の違いであれば、着付け方を工夫することで対応できる場合もあります。
例えば、体型の変化によって以前の洋服が合わなくなってしまったとしても、着物なら着付けの工夫によって、今の自分に合う着こなしを楽しめることがあります。
年齢を重ねるにつれて、身体のラインや体型は少しずつ変わっていくものです。それでも、着物はそのときどきの自分に合わせて装いを整えられる、懐の深い衣服なのです。
一枚の布を包み方によって自在に活用できる風呂敷と、身体に沿わせながら着姿を整えていく着物。どちらにも、布の特性を生かした日本人ならではの工夫が感じられます。
日本の知恵を、今の暮らしにも取り入れて
便利なものが次々と生まれる現代ですが、昔から受け継がれてきた道具の中にも、今の暮らしに役立つものがたくさんあります。
風呂敷は、その代表的な存在ではないでしょうか。
一枚の布を、包むものに合わせて自在に使い分ける。必要なときには役立ち、使わないときには小さく畳んでしまっておける。無駄がなく、使う人の工夫によって可能性が広がります。
そこには、物を大切にしながら、知恵を働かせて暮らしを豊かにしてきた日本人の感性が息づいているように思います。
着物も風呂敷も、単に古くからあるものというだけではありません。美しさを楽しみながら、日々の暮らしの中で実用的に使えるものなのです。
着物を楽しむときには、着物や帯だけでなく、小物や持ち物にも目を向けてみると、新たな発見があります。
お気に入りの風呂敷を一枚、バッグに忍ばせてみませんか?
お出掛け先で思いがけず役立つかもしれませんし、美しい柄を眺めるだけでも気持ちが豊かになります。
美しく、便利で、使い方も自由自在。
そんな風呂敷を、これからも着物のお出掛けのお供として大切にしていきたいと思います。
日本人の知恵って、本当に素晴らしいですね(^^)


