着物はまるでドラえもん!

着物着付け教室  麗和塾  内村圭です。

 

知っておくと便利な「着物ポケット」の活用術

着物を着るとき、草履とバッグがセットになったものをお使いになる方も多いかもしれません。

礼装用の草履とバッグは、統一感があり、装いを上品にまとめてくれる素敵なアイテムです。しかし、セットのバッグは小ぶりなものが多く、ハンカチとスマートフォンを入れると、ほかのものが入らない……ということもありますよね。

皆さまは、そんな経験はありませんか?

実は、私は着物のときに使うバッグは、大きめのものが好きです。

心配性なところがあり、ついつい荷物が多くなってしまうのです。出掛けるときには「あれも必要かもしれない」「これも持っておいた方が安心」と、あれこれ考えてしまいます。

なので、草履とバッグのセットは、普段あまり使いません。着物に合うデザインであることはもちろんですが、使いやすさや収納力も大切にしています。

けれども、着物には、洋服とは少し違った便利なところがあるのをご存じですか?

それは、着物そのものを収納場所として活用できること!

まるでドラえもんのポケットのように、着物には小物を一時的にしまえる場所がいくつもあるのです。

今回は、知っておくとお出掛けがぐんと快適になる、着物ならではの便利な「ポケット」の使い方をご紹介します。

 

 

 

 

 

 

1.帯の前部分は小さなものを入れるのに便利

まず、帯の前部分です。

帯板や名古屋帯の前部分に、ポケットが付いているものがあることをご存じでしょうか。

着付けに使う帯板の中には、ポケット付きの商品もあります。こうしたポケットは、ちょっとした小物を収納するのに便利です。

また、ポケットが付いていない場合でも、帯の前部分は、薄くて小さなものを一時的に挟んでおくのに役立ちます。

例えば、電車やバスなどの乗り物の切符、ホテルやレストランで荷物を預けた際のクロークの引き換え札、イベントやパーティーのチケットなどです。

すぐに取り出したいものを入れておけば、バッグの中を探す手間が省けます。

お金についても、必要に応じて小さな封筒などに入れ、帯の前部分に収める方法があります。ただし、大切なものは落下や紛失に注意し、しっかり管理することが大切です。

また、スマートフォンを帯の前部分に挟んでいらっしゃる方を見掛けることもあります。

ただし、スマートフォンは重さや厚みがあり、着姿に響いたり、落下したりする心配もあります。機種や帯の状態によっては適さない場合もあるため、無理のない使い方を心掛けたいですね。

帯の前部分を上手に活用すれば、必要なものをすぐに取り出せるだけでなく、バッグの中もすっきりと整理できます。

2.袖の袂はハンカチの収納場所

着物の袖には、袂(たもと)があります。

この袂も、実は便利な収納場所のひとつです。

ハンカチなど、薄くて軽いものを入れておくのに適しています。手を拭きたいときや、ちょっとした場面でハンカチを使いたいときにも、さっと取り出せるのが便利です。

洋服ではポケットのないデザインも多く、ハンカチをバッグに入れて持ち歩くことが一般的ですよね。

一方、着物には袂があるため、こうした小物を持ち歩く際にも工夫ができます。

ただし、袂に物をたくさん入れたり、重いものを入れたりすると、袖の形が崩れたり、動きにくくなったりすることがあります。

着姿を美しく保つためにも、袂に入れるものは軽く、かさばらないものがおすすめです。

3.お太鼓の中には紙類や小風呂敷を

次にご紹介するのは、帯のお太鼓の部分です。

お太鼓結びをした際、その内側にできる空間を利用して、小風呂敷やパンフレットなどの紙類を一時的に収めることがあります。

例えば、展示会や催し物に出掛けた際にいただいたパンフレット。バッグに入れるとかさばるけれど、手に持ったままでは邪魔になることもありますよね。

そんなとき、薄い紙類を折り畳んで収められると便利ですし、袱紗はさみなども入れますよ。

ただし、何でも入れてよいわけではありません。

厚みのあるものや硬いものを入れると、お太鼓の形が崩れたり、背中に違和感が生じたりすることがあります。大切な書類に折り目が付く可能性もありますので、収納するものは選びましょう。

あくまでも、薄くて軽いものを一時的に収める工夫として活用したいですね。

4.衿元に入れるものには注意しましょう

着物には衿元という場所もありますが、ここは何でも収納できる場所ではありません。

袱紗や懐紙などを衿元に収める場合もありますが、物を入れ過ぎたり、厚みのあるものを入れたりすると、衿の形が崩れる原因になります。

着物の美しい着姿は、衿元の整い方によっても印象が大きく変わります。

そのため、衿元は収納場所として安易に利用するのではなく、着姿を美しく保つことを優先したいものです。

着物を着慣れていないうちは、必要なものをバッグに入れておき、着崩れを招かない範囲で、少しずつ便利な使い方を覚えていくとよいかもしれません。

5.小さなバッグで出掛ける日こそ、着物の工夫が役立ちます

着物の便利な収納方法を知っておくと、手荷物をぐんと少なくできることがあります。

特に、パーティーやお食事会、ホテルでの催しなど、小ぶりなバッグを持ちたい場面では大助かりです。

バッグにはお財布やスマートフォンなど、必要なものを厳選して入れ、薄くて軽い小物は着物や帯の特性を生かして持ち歩く。そんな工夫ができれば、身軽にお出掛けを楽しめます。

もちろん、着物の種類や帯結び、収納するものによって、適した方法は異なります。貴重品や落としたくないものは、ファスナー付きのバッグなど、安全に管理できる場所に入れておくと安心です。

着物を着るときには、着付けやコーディネートだけでなく、こうした実用的な知識も知っておくと、楽しみ方の幅が広がります。

着物は、見た目の美しさだけではなく、昔から受け継がれてきた形の中に、暮らしの知恵も詰まっています。

最初は着付けを覚えることに精いっぱいでも、着慣れてくると、着物ならではの便利さや工夫にも気付くようになります。

「着物は荷物が多くて大変そう」と思っていらっしゃる方も、こうした方法を知れば、少し印象が変わるのではないでしょうか。

大切なのは、無理をせず、自分に合った方法を見つけることです。

お気に入りのバッグを持つ楽しみも大切にしながら、着物のポケットも上手に活用してみてください。

着物を知れば知るほど、着る楽しみだけでなく、暮らしの中で役立つ発見も増えていきます。

着物ならではの便利な工夫を取り入れて、もっと気軽に、もっと快適に、着物でのお出掛けを楽しんでみませんか。