自分に似合う着物を見つける
着物着付け教室福岡 麗和塾 内村圭です。
自分に合った着物とは?
「自分に似合う着物」とは、どのようなものを指すのでしょうか。洋服の場合、襟や袖、裾のデザインが多様であり、トップスとボトムスに分かれています。一方、着物は一枚の布で仕立てられ、基本的な形はどれも同じに見えます。しかし、実際には着物の選び方一つで、印象が大きく変わるのです。
着物姿の印象は、大まかに 「着物6 : 帯3 : 小物1」 の割合で決まると言われています。つまり、着物の色や柄の選び方が、全体の雰囲気を左右する大きな要素となるのです。そのため、自分に似合う着物を知ることは、着物を楽しむ上でとても重要になります。
では、自分に合う着物を見つけるためには、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。
色の選び方—やわらかい色 vs. 明瞭な色
まず考えたいのは「色」です。大きく分けると、以下の2種類に分類されます。
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やわらかい色(ソフトカラー)
・淡いパステルカラー、くすみがかった色、落ち着いたトーンの色合い
・肌なじみが良く、優しい雰囲気を演出する
・ナチュラルで上品な印象を与える -
明瞭な色(ビビッドカラー)
・はっきりとした色味、鮮やかな原色系、コントラストの強い色合い
・華やかで存在感のある装いになる
・元気で活発なイメージを強調できる
自分の肌の色や雰囲気と調和する色を選ぶことで、着物姿に統一感が生まれます。例えば、肌が明るく透明感のある人は淡い色合いがよく似合い、健康的で日焼けしやすい肌の人にはビビッドな色が映えます。
柄の選び方—写実的な柄 vs. モチーフ柄
次に、柄の選び方について考えてみましょう。着物の柄にはさまざまなバリエーションがありますが、大きく分けると以下のようなタイプがあります。
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写実的な柄
・花や風景、動物などを細密に描いたもの
・エレガントで上品な雰囲気を演出できる
・伝統的な雰囲気を好む方におすすめ -
モチーフ柄(抽象的な柄)
・シンプルな幾何学模様や抽象的なデザイン
・洗練された印象を与える
・現代的な雰囲気を楽しみたい方におすすめ
さらに、柄のサイズや形も印象に影響します。
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大きい柄 vs. 小さい柄
大柄はインパクトがあり、華やかさを演出します。一方、小柄は控えめで上品な印象を与えます。 -
丸みのある柄 vs. 直線的な柄
曲線を多用した柄は柔らかく優雅な雰囲気を、直線を基調とした柄はシャープで都会的な雰囲気を醸し出します。 -
古典的な柄 vs. 幾何学的な柄
古典柄は格式高く落ち着いた印象を、幾何学模様はモダンでスタイリッシュな印象を与えます。
客観的に自分を知ることが大切
自分に似合う着物を見つけるには、まず「自分の印象」を客観的に分析してみることが大切です。
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柔らかい雰囲気の人は、ソフトな色合いと流れるような曲線の柄がよく似合います。
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キリッとした雰囲気の人は、コントラストのある色合いや直線的な柄が映えます。
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可愛らしい印象の人は、小さめの柄や丸みのあるデザインが馴染みやすいでしょう。
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スタイリッシュな雰囲気の人は、大きめの柄や幾何学模様が洗練された印象を与えます。
こうして、自分の雰囲気と対比させながら着物を選ぶと、より「自分らしい着こなし」が見えてきます。自分に似合う着物を知ることで、満足度も高まり、着物をより楽しめるようになるでしょう。
コーディネートで印象を変える
着物はコーディネート次第で、さまざまな表情を見せてくれます。帯や小物の組み合わせを工夫することで、同じ着物でも違った雰囲気を楽しむことができます。
例えば、帯をシックな色にすると落ち着いた印象になり、鮮やかな帯を合わせると華やかさが引き立ちます。帯締めや帯揚げ、半襟などの小物をアクセントにすることで、個性をより際立たせることもできます。
また、髪型や履物の選び方によっても、印象は変わります。まとめ髪にすると上品な雰囲気に、カジュアルなヘアスタイルにすると親しみやすい雰囲気になります。
気分良く、心地よく「着物時間」を楽しむ
着物を着ることは、ただの「服装選び」ではなく、心の豊かさにもつながります。自分に似合う着物を見つけ、心地よいコーディネートを楽しむことで、自然と気分も上がり、ご機嫌な一日を過ごすことができるでしょう。
「特別な日だから着物を着る」のではなく、「着たいから着る」という気持ちを大切にすることで、日常の中にもっと着物を取り入れることができます。
自分に合った着物を見つけて、もっと自由に、もっと気楽に「着物時間」を楽しんでみませんか?