着物が教えてくれる、人生を彩る選択
福岡着物着付け教室 麗和塾 内村圭です。
「着物って、面倒そう」「難しそう」「時間がないから無理かも……」
そんなふうに思って、着物に対して一歩を踏み出せずにいる方は、少なくないかもしれません。でも、それは本当にもったいないことです。なぜなら、私たち一人ひとりの中には、まだまだ伸びしろや可能性がたくさん眠っているからです。まだ試していないだけで、自分自身の中に「変われる力」があるのです。
経験というのは、実際に体験してみないとわからないことばかりです。やってみて「楽しかった」と思えることも、「難しかったけれど自信になった」と思えることも、すべては行動したからこそ得られるのです。反対に、「やっておけばよかった」と後悔することのほうが、後からじわじわと心に残るもの。だったら、やってみた方がずっと前向きに生きられると思いませんか?
私たちの人生は、白いキャンバスのようなものだといわれます。そのキャンバスに、どんな色を塗り、どんな絵を描いていくか――それは、私たち自身の「想い」と「行動」によって決まっていきます。誰かが用意してくれるのを待つのではなく、自分自身が筆を持ち、自分自身の物語を描いていく。そのことに気づいた瞬間、日常の中にある小さな一歩が、やがて人生の大きな転換点へとつながっていくのです。
特に女性は、結婚・出産・育児・介護など、人生の節目ごとに生活環境が大きく変わることが多いものです。そうした変化に流されて、いつの間にか「誰かのための毎日」になっていることもあるでしょう。でも、そんなときこそ、自分のために使う時間、自分らしくいられる瞬間を大切にしてほしいのです。忙しい中でも「何を選ぶか」で、心の充実度は大きく変わってきます。
着物は、まさにその「自分らしさ」を思い出させてくれる存在です。普段の生活のなかで着物を取り入れることで、ただの一日が特別な一日へと変わります。背筋を伸ばし、鏡の前で帯を結び、少しだけ丁寧な自分になる――その一連の所作が、心まで整えてくれます。そして、「今日の私は、ちょっと素敵かもしれない」と、自分にそっと言えるようになるのです。
思い立ったが吉日、という言葉がありますが、本当にその通りです。行動が早ければ早いほど、理想の未来にも早く近づけます。今この瞬間が、未来の自分をつくる起点。だからこそ、「着物を着てみたいな」と思ったなら、その気持ちを大切にして、まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
着物は決して、特別な日だけの装いではありません。日常の中に、さりげなく取り入れることができるのです。そしてそれは、日常のひとときを、少しだけ特別にしてくれる魔法のような存在です。
やりたいことを見つけたら、まずやってみる。その一歩が、人生を大きく変えることもあるのです。自分の中に眠っている可能性を信じて、新しい挑戦を楽しんでみましょう。
着物が教えてくれるのは、そんな「自分らしい人生を描く選択」の大切さなのです。