リサイクル着物の注意点
着付け教室福岡 麗和塾 内村圭です。
リサイクル着物には、購入時に注意が必要です。先日預かった着物の一例をご紹介します。お客様からのご依頼は、購入して一度着用した際に破れてしまった着物のお直しでした。確認したところ、背縫いのお尻部分の生地と縫い目、そして背伏せに破れが見られました。また、裾の背縫い部分にも約15センチほどの糸切れがありました。
お客様は「気に入って購入した着物なので、なおしてほしい」とおっしゃっていました。そこで、袖底の縫代から布地を拝借して、目立たないように背縫いと背伏せを縫い直し、背縫いのない部分に居敷当を付ける修理を行いました。また、裾の方も縫い直して背伏せを付け直しました。
このようなリサイクル着物の難しいところは、安価で購入できる反面、一度の着用でお直しになることがある点です。購入費用に加えてお直し代がかかることになります。そうした事態に直面すると、ご本人も落胆されるでしょう。
リサイクル着物で気に入った着物を見つけるのは嬉しいことですが、購入前に確認することも重要です。例えば、糸の寿命は一般的に約30年と言われています。もちろん、それ以上の耐久性を持つものもありますが、全体の糸が弱っている場合は、一部分を修理しても他の部分が次々に破れてしまう可能性があります。
生地自体はしっかりとした強度を持っている場合、仕立て替えを行うことで、着物の歴史を長く続けることができます。何かしらの修理を繰り返すよりも、ご自身の寸法に合った着物を新たに仕立てることで、着心地や着姿に満足されるでしょう。
リサイクル着物は手頃な価格で手に入れることができますが、購入する際には、目立たない箇所である衿先や下前の衽付け辺りで糸や生地の強度を確認することも重要です。これらの点に留意することで、より満足度の高いリサイクル着物を見つけることができます。