人生100年時代 女性と着物の関係

着付け教室福岡 麗和塾 内村 圭です。

 

「人生100年時代」。この言葉は最近よく聞かれ、40歳や50歳といった年齢層でも、まだまだ未来が広がっていることを意味しています。そんな中、『女性の品格』で知られる坂東眞理子さんが著した『70歳のたしなみ』が登場し、その深い内容が大いなる反響を呼んでいます。この本は、普段の振る舞いにおいてもっとも大切なことの一つである「意識して上機嫌に振る舞う」というポイントが表紙に掲げられています。普通にしていても不機嫌に見えてしまうことがある年齢において、振る舞いの意識は重要なスキルとなっています。

この本は、40代や50代の方にも広く読まれており、品格とは何か、たしなみとはどのようなものかというテーマについて深く掘り下げられています。品格は、優れた気品や品位、他者とのかかわりにおいて人の品のよしあしを指し、一方でたしなみは好みや特に芸事などに関する心得、慎みや普段の心がけを指します。このような要素が組み合わさり、品格とたしなみは人間の深い部分を形成しています。

 

 

そして、私はここで思うのです。着物が、品格やたしなみを育むうえで強力な味方ではないかと。着物の着こなしは、美と健康が調和し、心身ともに整った状態でこそ最大限の魅力を発揮します。着物は単なる衣服ではなく、その美しさや格式は歴史や文化が息づく特別な存在なのです。そのため、着物を通じて得られる美と健康に加えて、一日や二日では身につかない人生観や生き方、生きる姿勢が着物を通して磨かれ、深化していくことでしょう。

「品格」や「たしなみ」を持った人が着物を纏うことで、その美しさが一層引き立つのです。それは単なる装いではなく、内面からにじみ出る気品や深い人間性が、着物を通して現れるのだと思います。そして、この相互作用が、人々に感動や新たな発見をもたらすのでしょう。

着物の価値は時代年代を超えて輝いています。新しい体験を通じて、皆さんが着物という素晴らしい文化に触れ、上機嫌に過ごされることを心より願っています。人生100年の中で、着物を通じて自分自身を深め、豊かな人生を歩んでいただきたいと願っています。