使用注意なハンドクリームと着物への影響

着付け教室福岡 麗和塾 内村圭です。

 

乾燥から手を守るためにハンドクリーム。私は年中欠かせません。冬の寒い季節手肌をしっとりと保ち、荒れやひび割れを防ぐために多くの人が愛用しています。しかし、特に着物を扱う際には、このハンドクリームが思わぬトラブルの原因となることがあります。

ハンドクリームと着物の関係

ハンドクリームを塗った直後の手で着物に触れることは絶対に避けるべきです。クリームに含まれる油分が着物に移ってしまい、シミの原因となるからです。特に、着物の「衿元」や「褄」は無意識に頻繁に触る部分です。これらの部分に油分が付着すると、目立つシミとなり、せっかくの美しい着物が台無しになってしまいます。

 

 

着物を着る前の注意点

着物を着る際は、必ず手を洗い、ハンドクリームをしっかりと落としてからにしましょう。以下の手順を守ることで、着物を油分から守ることができます。

  1. 手洗いの徹底: 着物を扱う前に、必ず手を石鹸で丁寧に洗いましょう。特に指の間や爪の周りもしっかりと洗浄することが重要です。
  2. ハンドクリームの乾燥: ハンドクリームを使用した後は、しっかりと手に浸透させ、完全に乾くのを待ちます。表面がべたつかない状態になるまで待つことがポイントです。
  3. 手袋の使用: どうしても手が乾燥してしまう場合は、薄手の手袋を着用して着物を扱う方法もあります。これにより、直接手が触れることなく、油分の移行を防ぐことができます。

具体的な注意事項

ハンドクリームを使用してから着物を扱う際には、以下の点に特に注意してください。

  1. 襟元: 襟元は顔や手が触れることが多い部分です。ハンドクリームが付着しやすいため、特に注意が必要です。
  2. 褄(つま): 着物の裾に当たる部分で、動く際に手で押さえることが多い場所です。ここも油分が付きやすいため、気をつけて扱いましょう。
  3. : 帯を締める際にも、手が直接触れるため、ハンドクリームの油分が移らないように注意が必要です。

ハンドクリームの選び方

着物を頻繁に着る場合、ハンドクリームの選び方にも工夫が必要です。油分が少なく、さらっとした使用感のクリームを選ぶとよいでしょう。また、使用後にしっかりと乾くタイプのものを選ぶことも大切です。

  1. 水分多めのハンドクリーム: 油分が少なく、水分が多めのハンドクリームを選ぶことで、着物にシミがつくリスクを減らせます。
  2. 速乾性のあるハンドクリーム: 使用後すぐに乾くタイプのハンドクリームを選ぶと、手洗いの手間を省けるうえに、着物に油分が移る心配も軽減されます。

予防策とメンテナンス

ハンドクリームの油分から着物を守るためには、予防策を講じることが重要です。例えば、着物を着る前に必ず手を洗う習慣をつけること、ハンドクリームを使用する際は乾燥時間を確保することなどが挙げられます。

また、着物にシミがついてしまった場合には、早めに適切な方法でメンテナンスを行うことが重要です。シミ抜き専用のクリーナーを使用するか、専門のクリーニングサービスを利用することを検討しましょう。

着物を美しく保つために

着物は日本の伝統的な衣装であり、その美しさを保つためには日々の手入れが欠かせません。ハンドクリームの油分によるシミは避けられるトラブルです。日常のちょっとした注意と予防策を講じることで、大切な着物を長く美しく保つことができます。

手荒れを防ぐハンドクリームは、手肌を守る大切なアイテムです。しかし、着物を扱う際にはその油分がシミの原因となることを忘れず、適切な対策を講じることが重要です。手を洗い、ハンドクリームをしっかり乾かしてから着物に触れるように心がけることで、着物を美しく保ち、自信を持って着ることができるでしょう。着物を愛し、その美しさを大切にするために、日々の小さな努力を怠らないようにしましょう。