夏の着物における暑さ対策

着付け教室福岡 麗和塾 内村圭です。

 

夏の暑い季節に着物を着る際、特に重要なのは涼しさを保つための工夫です。着物を着ている時でも快適に過ごすための具体的な暑さ対策についてご紹介します。

肌の表面温度を下げることの重要性

夏の着物の暑さ対策でまず考えなければならないのは、肌の表面温度を下げることです。肌の表面温度が下がると、自然と汗もひき、快適に過ごすことができます。以下に、肌の表面温度を下げるための具体的な方法をいくつかご紹介します。

1. 冷却アイテムの使用

冷却アイテムを上手に活用することで、肌の表面温度を下げることができます。以下の方法を取り入れてみてください。

  • 冷えピタシートの使用: 首の後ろや脇の下など、体温が上がりやすい部分に冷えピタシートを貼ると、体全体が涼しく感じられます。
  • 保冷剤の活用: 小さな保冷剤を帯や補整具に挟むと、熱がこもらず、涼しさを保てます。

2. メッシュ素材のインナー

通気性の良いインナーを選ぶことで、汗をかいても肌の表面がすぐに乾きます。おすすめのインナー素材とその使用法を以下に挙げます。

  • メッシュ素材の肌着: 通気性が高く、汗をかいてもすぐに乾くため、涼しさを保てます。
  • 吸汗速乾素材の襦袢: 吸汗速乾性の高い素材を使用した襦袢を選ぶことで、汗をかいても快適に過ごせます。

3. 冷房の効いた部屋での着付け

着物を着る際には、冷房の効いた涼しい部屋で着付けを行うと、着付け中に体温が上がるのを防げます。また、冷たい飲み物を用意し、こまめに水分補給を行うことも重要です。

4. 風通しの良い場所を選ぶ

外出先でも風通しの良い場所を選んで行動することで、涼しさを保つことができます。日陰を選んで歩いたり、適度に休憩を取ることで、体温の上昇を抑えることができます。

5. 扇子や日傘の活用

扇子や日傘を活用することで、直射日光を避けたり、自分自身に風を送ることができます。これにより、体感温度を下げることができます。

  • 扇子: 携帯用の扇子を持ち歩き、暑さを感じた時に風を送ると、涼しさを保てます。
  • 日傘: 日傘を使用することで、直射日光を避け、涼しい状態を保つことができます。

6. 着物と小物の素材選び

夏用の着物や小物には、通気性が良く、涼しい素材を選ぶことが大切です。以下のような素材が夏に適しています。

  • : 軽くて通気性が良く、汗をかいてもすぐに乾くため、夏に最適な素材です。
  • 絽や紗: 透け感があり、通気性に優れた素材で、見た目にも涼しさを感じられます。
  • メッシュ素材の補整具: メッシュ素材の補整具を使用すると、風通しが良くなり、熱がこもりにくくなります。

7. スキンケアの工夫

着物を着る際には、スキンケアにも注意が必要です。特にハンドクリームの使用には気をつけましょう。ハンドクリームの油分が着物に付着するとシミの原因になります。

  • ハンドクリームの使用を控える: 着物を着る直前にはハンドクリームを使用せず、手を洗ってから着物に触れるようにしましょう。
  • 汗拭きシートの使用: 汗をかいたらすぐに汗拭きシートで拭き取り、肌を清潔に保ちます。

8. 着付け小物の工夫

着付け小物にも工夫が必要です。以下のようなアイテムを使用することで、涼しさを保つことができます。

  • 麻の帯板や帯枕: 麻素材の帯板や帯枕は軽くて通気性が良く、夏にぴったりです。
  • 制汗剤の活用: 汗をかきやすい部分には制汗剤を使い、汗のベタつきを防ぎます。

9. 適度な休憩と水分補給

暑い中で長時間着物を着ると、体調を崩しやすくなります。適度に休憩を取り、水分補給をしっかり行いましょう。冷たい飲み物を持参し、こまめに水分補給を行うことが大切です。

10. 半襦袢の使用

暑い日には、半襦袢を使用することで、重ね着を減らし、涼しさを保てます。また、袖口を少し広げることで、風通しが良くなり、涼しさを感じやすくなります。

夏の着物を快適に着こなすためには、さまざまな対策を取り入れることが重要です。素材選びから小物の工夫、冷却アイテムの使用、適切なインナーの選択、スキンケア、適度な休憩と水分補給、扇子や日傘の活用、気温に合わせた工夫など、さまざまな方法で涼しさを保つことができます。

これらの対策を取り入れることで、夏の暑さの中でも快適に着物を楽しむことができます。着物の美しさを楽しむと同時に、健康にも配慮しながら、夏の着物ライフを満喫してください。