「いつかは着物」を叶えるために

福岡着物着付け教室　麗和塾　　内村圭です。

洋服と比べて、着物は「特別な装い」という印象が強く、「自分で着るのは難しそう」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。確かに、日常的に着物を着ている方が少なくなった現代において、自分で着物を着られる方はごく限られています。しかし、それは本当に「着物が難しい」からなのでしょうか。

実は「着方を知らない」「自分で着たことがない」という理由で、着物を遠い存在に感じてしまっている方が大半なのです。

思い出してみてください。洋服だって、私たちは子どもの頃から何度も着替えを繰り返しながら、自然とボタンのかけ方やファスナーの閉め方、下着と上着の順序、そして季節によって長袖や半袖を選ぶといった基本的なことを身につけてきました。洋服を毎日、当たり前のように着替える習慣が、自然と「着る」技術を育ててくれたのです。

それと同じように、着物も「日常の中にある」ものであれば、誰でも自然と着られるようになります。例えば、お母さまやお祖母さまが日常的に着物をお召しになっていたご家庭では、子どもが自然に着物の着方を覚えることがありました。しかし、現代ではそういった機会が少なくなっており、着物を「見て覚える」ことが難しくなっています。結果として、「着物は着付け教室で学ぶもの」となっているのです。

きっかけは人それぞれです。たとえば——

• お祝いごとや式典など、節目の行事で着物に触れる機会があった

• 街で素敵な着物姿の方を見かけて、自分も着てみたいと思った

• ご家族から着物を譲り受け、大切にしたいと感じた

• 結婚前に揃えた着物を眠らせておくのがもったいないと感じた

このような想いを胸に、「いつかは自分で着物を着てみたい」と密かに願っている方も少なくないことでしょう。

しかし、「私は不器用だから」「覚えるのが大変そう」といった不安から、なかなか一歩を踏み出せないこともあります。ですがご安心ください。着物の着方には一定の手順とコツがあり、それを丁寧に学んで繰り返し練習することで、どなたでも確実に身につけることができます。

「一度覚えてしまえば一生モノ」といわれる着付けの技術は、まさにその通りです。自分で着られるようになると、次のような嬉しい変化が訪れます。

• 着るたびに着付け代がかからず経済的です

• 思い立ったときに自分のタイミングで着られる自由があります

• 人に頼らず、自信を持って着物を楽しめるようになります

また、日常の中に着物があることで、装いへの意識が高まり、所作や姿勢、立ち居振る舞いにも自然と気を配るようになります。何より、「自分で着物を着ることができる」という達成感と誇りは、日々の暮らしに彩りと自信をもたらしてくれるでしょう。

麗和塾では、そうした「着物を日常に取り入れたい」と願う方々を応援し、一人ひとりのペースに寄り添った指導を行っています。初めての方でも安心して学べる環境が整っており、肩肘張らず、楽しみながら着物の技術を身につけていただけます。

「いつかは着物を着たい」と思っているなら、その“いつか”を“今”に変えてみませんか？

あなたのクローゼットで静かに眠っている着物たちが、きっと日の目を浴びる日を待っています。そして、それらを自分の手で装うことで、あなたの内面にも新たな輝きが生まれるはずです。

まずは、ほんの一歩。その一歩が、着物と共にある素敵な未来への扉を開いてくれるでしょう。