「変化を受け入れる勇気と着物がもたらす新しい私」
着物着付け教室福岡 麗和塾 内村圭です。
「変わりたい」「新しいことに挑戦したい」「今年こそ余暇を充実させたい」。多くの方が心のどこかでそう願いながらも、気がつけば何年も変わらず、同じ日々を繰り返していることが少なくありません。私たちは慣れ親しんだ生活習慣や人間関係の中に身を置き、安心感を得ています。けれども、そこに甘んじている限り、大きな変化は訪れないのです。
普段の行動を振り返ると、それはとてもわかりやすいものです。いつもと同じ行動パターンで、決まった道を歩き、馴染みのお店で買い物をし、似たような色や形の洋服を選ぶ。通い慣れた美容院でいつもと同じ髪型に整えてもらい、気心の知れた友人と集まる。読む雑誌も、聴く音楽も、気がつけば自分が「好きだ」と思っている範囲の中に留まっています。
もちろん、そうした生活は心地よく、安心をもたらしてくれるものです。しかし、その心地よさの中にだけ身を置いていては、いつまでも変化は生まれません。本当の意味で「変わりたい」と思うならば、まずは「なりたい自分」をしっかりと心に描くことが必要です。そして、その理想像を描いたら、次は行動に移すことが大切です。
「やりたい」と思ったことを後回しにせず、少しでもいいから実際にやってみる。新しい一歩を踏み出すことが、変化の扉を開く唯一の方法です。変化を取り入れることは、ときに勇気が必要です。しかしその勇気を持ち、今までと違う自分を楽しむことこそが、人生をより豊かにしてくれるのではないでしょうか。
「自分のための時間を大切にする」ということは、つまり「自分自身を大切にする」ことです。自分を大切にしているとき、人は自然と笑顔になり、周囲の人々にも良い影響を与えることができます。
その「変化」を取り入れる最もわかりやすい方法のひとつが、実は「着物」なのです。着物は、洋服とはまったく異なる世界を私たちに見せてくれます。普段の装いから一歩離れ、非日常の感覚を日常に招き入れることで、私たちは新しい自分を発見することができるのです。
例えば、普段はカジュアルな洋服が多い方でも、着物に袖を通した瞬間に、背筋がすっと伸び、心が引き締まるのを感じることがあります。その姿を鏡に映したとき、自分でも驚くほど新鮮な印象を受けるかもしれません。周りの人から「素敵ですね」と声をかけられることも増え、その言葉がまた自信へとつながっていくのです。
着物は特別な場でしか着られない、堅苦しいものだと思われがちですが、実はそうではありません。最近では、日常的に楽しめる小紋や木綿の着物も数多く出回っており、現代のライフスタイルに合わせたコーディネートも豊富に提案されています。着物は「変化を取り入れやすい」存在でありながら、その一着が人を内側から輝かせ、着る人も周りの人も幸せな気持ちにしてくれる力を持っているのです。
「着物を着て出掛けてみたい」「着物を着て過ごす時間を楽しんでみたい」。そう思ったなら、まずは小さな一歩を踏み出してみましょう。最初から完璧に着こなす必要はありません。まずは袖を通してみる、少し歩いてみる、それだけでも十分な変化です。その一歩が、あなたを新しい世界へと導いてくれるのです。
動き出せば、今まで気づかなかった世界が広がっていきます。街を歩けば、同じように着物を楽しむ人に出会い、自然と会話が生まれるかもしれません。写真を撮れば、普段とは違う自分を記録に残すことができます。さらには、着物をきっかけに和の文化や伝統芸能への関心が深まり、自分の世界がさらに広がっていくこともあるでしょう。
大切なのは、「いつかやってみたい」と思いながら時を過ごすのではなく、「今、やってみよう」と思い立つことです。未来に余裕ができる保障など、誰にもありません。だからこそ、「今、この瞬間」に行動を起こすことが大切なのです。
変化を受け入れることは、人生を新しく彩ることでもあります。着物は、その彩りを最も身近に与えてくれる存在です。もし「変わりたい」と思う気持ちが少しでも心にあるなら、どうぞその想いを大切にしてください。そして、着物という新しい世界に一歩足を踏み入れ、自分自身の可能性を広げてみませんか。
きっとその先には、今まで出会えなかった「新しい私」が待っていることでしょう。