着物の柄と格の違い
着付け教室福岡 麗和塾 内村圭です。
フォーマル着物よりもカジュアル着物の柄の格の方がわかりにくいと思われたことはありませんか?
柄による格の違いが明確にある着物として、江戸小紋が挙げられます。
江戸小紋は、武士の裃の模様が発祥となっており、各藩が他の藩との区別をするため誕生しました。なかでも格の高いものとして、「江戸小紋三役」と呼ばれる鮫、行儀、角通しの模様は、これらに一つ紋を入れると一つ紋の色無地同様に略礼装として慶弔で着用できます。
また柄自体に格があるというわけではないですが礼装によく使われている柄として、幸福を願う気持ちを文様として表わした「吉祥文様」や、公家が使用していた装束や調度品に描かれていた「有職文様」といったものがあります。
吉祥文様のなかには、色々な宝物を散りばめた縁起のよい「宝尽くし」や、冬の寒さに耐えうる忍耐力や成長、長寿を願うおめでたい「松竹梅文」、雪解け後の豊作を願う「雪輪文」などがあります。有職文様には、亀甲文や鱗文、菱文、鳥襷文といったものがありよく目にする柄かと思います。
フォーマル着物は見ただけで”よそ行き着物”と解るほど華やかで豪華なので迷わなくても、カジュアル着物となると苦手に思うかもしれません。江戸小紋は帯次第で略式礼装にもなるので覚えておいてほしい柄行きなのです。