年齢と共に変わる色選び

 

福岡着付け教室  麗和塾  内村圭です。

 

私たちは、年齢を重ねるにつれて、さまざまな面で変化を感じるものです。特に、服装やファッションにおいては、若い頃に好んでいたスタイルや色合いが、年齢とともに自然と変化していくことがよくあります。これは個々の美意識や体型の変化、そして社会的な役割や環境の変化が影響しているのかもしれませんが、私たちの「色」に対する選び方が変わることは、非常に興味深い現象です。

若い頃、多くの方が好む色合いとして挙げられるのが、パステルカラーです。パステルカラーは、明るく柔らかな色調が特徴で、若さや清新さを感じさせる色合いです。淡いピンク、ミントグリーン、ライトブルーなど、パステルカラーはそのやわらかさゆえに、若い肌や明るい表情をより一層引き立ててくれます。また、その柔らかさと透明感が、軽やかでフレッシュな印象を与えるため、多くの若者がこの色調を好んで取り入れているのです。

私自身も、若い頃にはこのパステルカラーを好んでよく着ていました。その明るさと優しい色合いが、まさにその時の自分にぴったりだと感じていたのです。しかし、年齢を重ねるにつれて、自然とその色選びが変わってきました。最近では、濃い色やはっきりとした色調の服を選ぶことが多くなり、パステルカラーが次第に似合わなくなってきたように感じます。

 

 

 

 

この変化は、一見すると個人の好みの変化に見えますが、実際には年齢とともに私たちの肌や髪、体型が変わることで、自然と似合う色が変わってくるのです。肌の色味が変わり、髪の色が落ち着き、全体的に落ち着いた印象が強くなると、若い頃に似合っていたパステルカラーが、逆に少し浮いて見えることがあるのです。これに対して、深みのある濃い色やはっきりとした色調は、成熟した大人の魅力を引き出し、全体のバランスを整えてくれます。

濃い色を身に纏うことで、私たちの存在感がより一層引き立ちます。例えば、ダークブルーやディープレッド、エメラルドグリーン、そしてブラックなどの濃い色合いは、落ち着きと品格を感じさせると同時に、どこかエレガントな印象を与えます。年齢とともに増していく内面的な美しさや経験を、これらの色がしっかりとサポートしてくれるのです。

また、濃い色には顔立ちをはっきりと見せる効果もあります。年齢とともに顔の輪郭や肌のトーンが変わってくる中で、濃い色は顔色をよく見せ、全体の印象を引き締める役割を果たします。これにより、成熟した大人の女性らしさや男性らしさが際立ち、自信を持って装うことができるのです。

しかし、これは決してパステルカラーが年齢にそぐわないということではありません。大切なのは、その色合いをどう活かすかということです。淡い色を選ぶ際にも、顔周りには濃いアクセントカラーを取り入れる、あるいはパステルカラーを部分的に使い、全体のバランスを保つことで、年齢に応じたスタイルを楽しむことができます。例えば、淡い色のブラウスに濃い色のスカートを合わせる、またはパステルカラーのストールを使って全体のトーンを和らげるなど、工夫次第でパステルカラーを上手に取り入れることが可能です。

また、季節によっても色選びが変わることが多いです。春や夏には明るい色合いが好まれ、秋や冬には深みのある色合いが選ばれる傾向があります。これもまた、年齢とともに変わってくる感覚の一つであり、私たちが自然と季節に応じた色を選ぶことで、その時々の自分に合ったスタイルを見つけることができるのです。

皆さんはどう感じているでしょうか?年齢を重ねるごとに、色選びに変化を感じることがあるかもしれません。それは決して悪いことではなく、むしろ自然な変化です。年齢に応じた色選びを楽しみながら、自分自身のスタイルを見つけていくことが大切です。そして、その過程を楽しむことで、ファッションの楽しさを再発見することができるでしょう。

これからも、自分に似合う色を探し続け、自分自身を美しく引き立てる色を見つけていきましょう。それが、年齢を重ねるごとに深まる美しさを引き出し、日々の生活をより豊かに彩る一助となるのです。