「なりたい自分」に近づくために
福岡着物着付け教室 麗和塾 内村圭です。
「やりたいことが見つかったら、まずはやってみる」――そんな言葉に背中を押された経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。実際に「ちょっと気になっていたこと」を始めてみたら、思いがけず夢中になって、それが人生の転機になったという方も多くいらっしゃいます。何気ない「やってみたい」という気持ちは、私たちの未来を大きく変える可能性を秘めているのです。
日々の暮らしの中で、ふと心に浮かんだ「やってみたい」という想い。それは決して大きな目標である必要はありません。小さな楽しみや願いが積み重なっていくことで、やがて大きな変化となり、自分自身を新たな方向へ導いてくれることがあります。「こうなったらいいな」「こういう自分になりたい」という思いが、心の中に明確なイメージとして描かれたとき、人は自然とその方向へと歩みを進めていくものです。
よく「思考は現実になる」と言われますが、これは決して夢物語ではありません。実際に、多くの受講生の方々が、その言葉を体現されています。例えば、「いつか着物を気軽に着こなしてみたい」「凛とした和の所作を身に付けたい」そんな思いから学び始めた方が、自信を持って着物で外出されるようになり、人生に新たな彩りが加わったというケースは枚挙にいとまがありません。
そうした方々を見ていると、目標を持つことの大切さ、そして行動することの尊さを改めて実感します。目の前の生活に流されがちな日々でも、「○○になりたい」「こうしてみたい」という具体的なイメージがあると、不思議と心がブレにくくなり、迷いや不安に振り回されにくくなります。
その第一歩としておすすめなのが、「リスト」を作ることです。たとえば――
・やりたいことリスト
・こうなりたい自分リスト
・欲しいものリスト
これらをノートやスマートフォンのメモに書き出すだけで、自分の願いが目に見える形になります。自分の内側にある希望や好奇心を、目で見て確認するという行為は、思っている以上に前向きなエネルギーを生み出してくれます。
リストに書く内容は、決して大きな夢や高い理想でなくても構いません。むしろ、日常の延長線上にある小さな願い――「お気に入りのカフェで一人の時間を楽しむ」「新しい季節に合った着物に袖を通す」など、ちょっとした望みを積み重ねていくことが、いつの間にか人生を豊かに変えていく力になります。
「塵も積もれば山となる」という言葉があるように、小さな行動の積み重ねが、気づけば大きな成果を生み出していることも少なくありません。最初は自信が持てなかったことも、続けていくうちに自然と身についていきます。そして、そのプロセスの中で得られるのは「自信」だけではなく、「自分を大切に思う気持ち」や「日常を丁寧に味わう心」でもあるのです。
「理想の自分」とは、遠い未来にあるのではなく、今日この瞬間に何を選び、どのように行動するかで、少しずつ近づいていけるもの。だからこそ、思い立った時が始めどきなのです。
日々の忙しさに追われていると、「自分のために何かをする時間」や「心の声に耳を傾ける余裕」は、つい後回しになってしまいがちです。でも、だからこそ、ほんの少しだけ自分の心に正直になって、小さな「やってみたい」を拾い上げてあげることが大切なのだと思います。
やりたいことを見つけたなら、ぜひ「まずやってみる」ことを大切にしてみてください。そして、その行動がたとえ小さな一歩でも、継続していくことによって、やがて確かな変化となり、「なりたい自分」に近づいていくのです。
未来のあなたが、「あのとき、始めて良かった」と思えるような、そんな今日を積み重ねていきましょう。自分の人生の主役は、他の誰でもなく自分自身です。だからこそ、自分の願いに正直に、丁寧に生きていきたいものですね。