着物をはじめる前に知っておきたい基本
2024年1月15日
最終更新日時 :
2024年1月13日
内村圭
着付け教室福岡 麗和塾 内村圭です。
「着物を気軽に着てみたい」という思いを大切にしたいです。着物の世界は広く、初めての方には戸惑いもあることでしょう。今回は、そんな方に向けて、着物を始める前に最低限知っておきたい基本的な情報をご紹介します。これを押さえることで、着物の種類やサイズ、帯の選び方などについて理解が深まり、自信を持って楽しむことができるでしょう。
着物の種類
着物は大きく「礼装着」と「普段着」に分かれます。それぞれの用途に合わせて使い分けることが重要です。
礼装着の着物
- 留袖(とめそで): 結婚式などに両親、親族が正装に着る着物。
- 振袖(ふりそで): 若い女性が成人式や結婚式などに着る華やかな着物。
- 喪服(もふく): 葬儀や法事などで着用される黒一色で五つ紋が入る。
- 訪問着(ほうもんぎ): 親族の結婚式やパーティーなど、比較的格式のある場で着る華やかな着物。
- 付け下げ(つけさげ): 訪問着よりも絵柄が少ないよそ行き着物。
- 色無地(いろむじ): 一色染めの着物。紋が入っていなければ普段着として紋が入っていれば略式礼装しても使える着物。
普段着の着物
- 色無地: 日常のお出かけや観劇、会食など幅広い場面で着用可能。無地でシンプル。
- 小紋(こもん): 細かな柄が散りばめられた着物。日常使いやお茶会に適している。
- 紬(つむぎ): 粗めの糸で織られた、カジュアルな印象の着物。
- 綿(めん): 家庭で洗えてお手入れが楽な着物として重宝される。
- 麻(あさ): 涼しげな風合いがあり、夏にぴったりな素材。ナチュラルな雰囲気。
- ウール: 寒い季節に適した着物で保温性がある。
帯の種類
帯もその種類によって異なる雰囲気を醸し出します。自分の目的やシーンに合った帯を選びましょう。
- 丸帯(まるおび): 幅広く織った帯地を縦二つに折って仕立てた帯。
- 袋帯(ふくろおび): 表地と裏地に異なる生地を袋状に縫い合わせた帯。
- 名古屋帯(なごやおび): 袋帯を簡略化して一重のお太鼓が結べるように短くした帯。
- 半幅帯(はんはばおび): 主に浴衣に使う幅が狭めの帯。カジュアルな印象で使いやすい。
着物のサイズ
着物のサイズは、以下の4つの寸法が重要です。
- 身丈(みたけ): 背中の縫い目から裾までの長さ。基本的に身長と同じが理想的。
- 裄(ゆき): 首のつけ根から手のくるぶし辺りまでの長さ。
- 袖丈(そでたけ): 袖山から袖下までの長さ。基本的には49cm程度が一般的。
- 身幅(みはば): 腰回りの一番太い場所。適切なゆとりがあることが重要。
これらの寸法は、身体に合わせて調整することができます。基本的には、身長と同じくらいの身丈が理想的ですが、プラスマイナス5cm程度の範囲は許容範囲とされています。
おわりに
自分の目的やシーンに合った着物の種類を理解し、帯の選び方や着物のサイズについても基本を押さえることで、着物を楽しむ一歩が踏み出せます。洋服と同じくらい気軽に、かつ丁寧に選び、身に纏うことで、着物の美しさや奥深さを感じることができるでしょう。これから先、少しずつ知識を深めながら、自分なりのスタイルで着物を楽しんでいくことをお勧めします。どうぞ、素敵な着物ライフをお楽しみください。