羽織とコートの違いについて
福岡着物着付け教室 麗和塾 内村圭です。
秋からは日常的に着物の上に羽織るものが必要になります。昨今では夏場でもレースや紗などの透ける素材のものも人気がありますが、暑い最中には一枚でも着るものを少なくしたいものです。一般的には「紅葉が色づく頃から桜が散るまで」とされるコート類は塵除けや着物と帯を汚れから守るために活用期間は年中になってきています。
そこで今日は羽織とコートのちがいについてお話します。
寒くなってくると、着物の上に羽織るものが欲しくなりますがどの着物にどれを合わせるのか 解らないってことありますよね。
羽織は洋服でいうとカーディガンにあたるもの。コートはスーツの上などに着られるものみたいに考えていただけると違いが解りやすいかと思います。
「羽織」 *お部屋でも羽織れるもの
「道中着」*道中の間だけ着るもの
「道行き」*道を歩く(行く)時に着るもの
こんな風に 覚えてもらうと良いでしょう。
『羽織』はカジュアル普段着着物にあわせて、気軽に着られるものです
紬の着物や小紋などに、合わせるととてもお洒落でレースの羽織なども人気です。着付け初心者さんにとっては着物の着方や帯結びが上手くいかなかった場合に隠せるので心強い味方にもなります。
ただし例外があって、紋付き羽織(落語家さんが着ている)や絵羽羽織(入学式や卒業式などで着ることが多い)は色無地の着物や付下げなどにあわせます。
『コート』には大きく分けて2種類あります
「道中着(どうちゅうぎ)」
衿の形の合わせ方が着物のようになっていて、道中のちりよけや防寒など紬や小紋などカジュアルな着物にあわせます。
「道行き(みちゆき)」
衿の形が四角くなっていて、留袖、訪問着、付下げなど袋帯をあわせる格式のある着物にあわせます。
羽織とコートの大きなちがいは、羽織はお部屋でも基本は脱がなくていいけれど
コートはお部屋に入る前に脱ぐものです。
例外もあり上司のお宅に伺った時やお茶席などでは羽織も脱いでからお部屋に入りましょう。